スチールやステンレスの手すりって、材料が細いけどグラグラ揺れないのかな?
ご心配ありません。
うちではデザイン重視で製作をしているので細い材料を使うことが多いけど、意外と見た目よりもしっかりとしているものなんですよ。
ただ、経験の少ない鉄工所だと、不安から安全を求めすぎてガッチリとしたゴツイ手すりになる可能性がありますので、経験豊富な鉄工所を選ぶのが間違いないかと思います。
スチール? アイアン? ロートアイアン? どれが正しいの?
この3つ全てを使い分けている人はいないと思いますが、私なりの解釈です。きちんと知りたい方はググって調べて頂けると幸いです。
まず、スチールとアイアンは同義語です。どちらか好きな方を使って頂いて大丈夫です。
次にロートアイアンですが、これは全く違っていて、昔ながらの製法で造る鉄製品になります。
クネクネって飴みたいにキレイに曲がった鉄がありますよね。
仕上げ方法も違って『蜜蝋(ミツロウ)』というロウを防錆材として塗るというのを聞いたことがあります。
ちなみにスチール・ステンレス手摺のサイトに施工例としてロートアイアンがありますが、本当の製法ではないので「ロートアイアン調」とさせて頂いています。
1.手すりについて
英語ではHandrail(ハンドレール)といい、人が歩くときの手の補助的役割や落下防止などに使用されています。使われている場所も、建物内の通路、浴室やトイレ、他には船、橋、電車などの公共機関など幅広くあります。
手摺の取付には、ある程度のルールはあります。しかし、あいまいな部分や解釈の仕方が人によって違うこともあり、時々悩まされるようなこともあります。
2.デザイン重視のスチール手すり
スチール手すりメインの材料は「フラットバー(FB)」、「丸パイプ」、「角パイプ」、「丸鋼」の鉄材4種類です。加えて、ワイヤーメッシュやステンレスのワイヤーを組み合わせる場合もあります。
デザイン重視だとどうしても細くなります、しかし、経験と実績がありますのでバランスよく材料選定を行います。
また、仕上方法はメラミン焼付塗装・溶融亜鉛メッキ・ウレタン塗装など、場所や用途によって使い分けます。
スチール手すりのメリット
スチールの手すりは素材の性質により、他にはないメリットがあります。ここではスチールの手すりにはどんなメリットがあるのか詳しく解説していきましょう。
耐久性が高くてメンテナンスが簡単
スチール製の手すりは鉄を使用しているため、優れた耐久性と高い安全性を誇ります。そして、細く華奢なデザインであっても、折れたり曲がったりする心配が少なく、多様なデザインの可能性が広がるのが特徴です。屋内で使用する場合、錆びにくい性質も備わっており、さらにお手入れやお掃除が簡単な点も大きなメリットと言えるでしょう。スチール製の手すりは、美しさと機能性を兼ね備えた、優れた選択肢としてお部屋のインテリアに取り入れる価値があります。
空間が広く感じる
一般的に、手すりの部分が壁になっていると、奥が見渡せなくなりお部屋や階段が狭く感じることがよくあります。しかしながら、スチール手すりは壁になっている部分がないため、空間が広く見える利点があります。その結果、圧迫感を感じずに広々とした印象を演出できるのです。さらに、壁がないスチール手すりでは光が遮られることが少なくなります。
これにより、階段部分に自然光が差し込んで明るさが増し、そして階段周辺の印象も明るくなるでしょう。階段が暗い場合、電気を点ける手間が増えるだけでなく、さらに踏み外しによる転倒リスクも高まります。そして、スチール手すりを取り入れることで、明るさを保ちながら安全性を確保できるのです。その結果、見た目と機能の両面で魅力的なアクセントとなることが期待できます。
加工性の良さでデザインの自由度が高い
スチール手すりの最大の特長は、その卓越した加工性にあります。この特性により、細かな意匠を施すことが可能であり、独自のデザインを実現することができます。さらに、シンプルで清潔感のあるデザインも魅力的ですが、アクセントを加えた手すりは個性とオリジナリティを際立たせます。デザインにこだわることで、手すりは空間に独自のアートピースとなり、心地よい雰囲気を醸し出します。
また、スチール手すりは好みのカラーに塗装できる点も利点です。この柔軟性を活かすことで、お部屋のイメージにピッタリ合った色調を手すりに与えることができます。さらにカラーパレットの選択によって、手すりは空間のアクセントとなり、調和をもたらす役割を果たします。スチール手すりの加工性の高さとカラーリングの自由さは、デザイナーやホームオーナーにとって無限の可能性をもたらします。
そして美的要素と実用性を融合させたスチール手すりは、空間に独自の魅力を注入し、暖かく心地よい雰囲気を演出することでしょう。
スチール手すりの製作写真
※PCの方は画像クリックで写真の手すりが拡大出来ます。
3.デザイン重視のステンレス手すり
ステンレス手すりについて
ステンレスの手すりは、その特性から広く利用される手すりの素材の一つです。以下に、ステンレスの手すりに関する特徴や利点をいくつか挙げてみましょう:
- 耐久性: ステンレス鋼は耐久性があり、錆びにくい性質があります。これにより、屋内または屋外の環境においても手すりが長期間美観を保ちます。
- 低メンテナンス: ステンレスは錆びにくく、腐食しにくいため、手入れが比較的簡単です。普段の清掃やメンテナンスが少なくて済みます。
- 美観とデザインの自由度: ステンレスの手すりは洗練された外観を持っており、多くのデザインに適応できます。また、ステンレスは他の素材と組み合わせても美しい組み合わせを生み出すことができます。
- 多様な用途: ステンレスの手すりは、室内や室外、住宅、商業施設、公共施設などさまざまな環境で利用されます。手すりだけでなく、バルコニーや階段の手すり、手すり付きの手すりなど、多岐にわたる用途があります。
- 高い強度: ステンレス鋼は強度があり、手すりに必要なサポートと安定性を提供します。これにより、使用者の安全性が確保されます。
ただし、注意が必要な点もあります。ステンレスは他の素材に比べてコストが高いことがあり、手すりの設置に一定の予算が必要です。また、表面が滑りやすいことがあるため、手すりの設計や取り付け位置にも気を配る必要があります。
4.ロートアイアン調の手すり
昔はかなりの労力をかけてパーツをひとつひとつ造っていたそうですが、今では便利なものでいろんな種類のアイアンパーツが売っていますので、アイアンのパーツを選んで組み合わせることにより手すりが出来上がります。
その為、本物のロートアイアンのような見た目で、比較的安価に手すりを製作をすることが出来ます。
5.デザイン手すり製作事例集
キレイにまとめきれなかったスチール手すり/ステンレス手すりなど、手すり関係の写真をランダムに並べています。
気になった手摺がありましたら、スクリーンショットを撮るなどして、お問い合わせフォームに添付をして送ってください。
手すりは魅せ方次第で色々な空間を演出できます
6.手すりのあるある問答
ナカジーさん!
スキップフロアの階段にも手すりは必要ですか?
階段の高さが1m超なら必要ですが、
1m以下なら法規上は必要ありません。
ところで、階段の手すりの高さって決まっているんですか?
建築基準法には規定がありませんが、
しかしハートビル法では「段鼻から75~80cm」が望ましいとされています。
スチール手すりか、手すり壁かで迷っているんですが
手すり壁でも手すりを付けたとみなされますか?
手すりと認められるには、笠木を握れるようにする必要があります。
縦桟の間隔に規定はありますか?
建築基準法上の規定はありませんが、
私たちが造る時は内法寸法で110mm以下と決めています。
階段の手すりはどこからどこまで付ければいいですか?
建築基準法上は「階段」としか規定がされていません、しかし可能な限り連続させるのが基本です。
手すりに強度基準はありますか?
建築基準法上に規定はありませんが、
自主基準等が必要だと思います。
ところで、屋外の階段や傾斜路でも手すりは必要ですか?
屋内では階段に代わる傾斜路には階段と同様で手すりが必要ですが、屋外の階段や傾斜路に関しては建築基準法では規定していません。
最後に
手すりに関しては、専門家の方でも間違って理解をされていらっしゃる方がいらっしゃいます。
ここに記載をしたものは私の見解ですが、もし疑問点などありましたら、最終的なご判断をされる各地の自治体の方にご相談をされることをおススメ致します。
お気軽にお問い合わせください。0955-78-0178受付時間 8:00-17:00 [ 土(第2、4)・日・祝日除く ]
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