雲梯(うんてい)の下地について
雲梯の設置で気になる下地について
さて、雲梯を設置する際に1番気になることと言えば下地の事ではないでしょうか。
そんな下地のお悩みが少しでも解決が出来ればと思い、記事にしてみました。
どんな下地にでも付けられるの?
今ある天井の下地にそのまま雲梯を取付けることは出来ますか?
それは無理だと思います。
すでにある天井というのは、天井を支えられるだけの最低限の下地しか入っていません。
この場合は、天井を一度剥がしてから天井裏に雲梯専用の下地(梁)を入れてあげる必要があります。
雲梯には、かなりの力(荷重)が掛かりますので、しっかりとした下地をご準備ください。
出来れば、構造材レベルの大きな梁を下地として入れると安心です。
下地のサイズは?
どのくらいのサイズの梁を雲梯の下地として入れれば良いですか?
現場によって梁のスパン等の条件が違いますので、『このサイズの下地でお願いします』とは言えません。
仮にサイズをお伝えしたとしても、ある現場では十分に強度があるかもしれませんが、ある現場では強度不足という場合もありえます。
1番良いのは現地で施工をされる大工さんにどのくらいの下地を入れた方が良いのかを確認される事です。
大工さんは経験や実績も豊富で、私たち鉄工所と違い「木」に関するプロなので、『雲梯を取付けて、〇〇kgの耐荷重が欲しいんですけど・・・』とお伝えをすれば、親切な大工さんであれば『このくらいでいいんじゃない?』と適当な下地のサイズを教えてくれるはずです。
※お見積依頼をされた時に雲梯の重量が知りたい場合にはその旨お伝えください。
雲梯の取り付けにはいろいろなパターンがある
梁が見えた下地パターン①
このように構造材の梁が見えていると雲梯の下地計画は楽ですね。
設計の段階で梁がどの位置に見えてくるのかというのは分かっていますので、その梁幅に合わせて雲梯を製作すれば良いですし、取付の時も梁が見えていますので、取付下地の位置を探す必要もなく、見えている梁に合わせて雲梯を固定すれば良いだけです。
1番簡単な下地パターンです。
梁が見えた下地パターン②
こちらも先ほどと似たような下地パターンです。
しかし、上の写真と違うのは雲梯の進行方向に対して梁が直交する形で入っているという点です。
この場合は独立型雲梯もヒトフデ型雲梯も取付けることが出来ず、一体型雲梯だけが取り付け可能です。
もし、独立型雲梯やヒトフデ型雲梯をお取り付けされたいのであれば、上記写真の横になった梁2本に直交する形で2列の梁を下地として入れてあげるとお取付は可能となります。
梁が天井裏に隠れる下地パターン
次に、天井内部にある下地についてです。
天井内部の下地についてですが、見えているか見えていないかだけの違いで、基本的に梁が見えている下地パターンと考え方は同じです。
天井材(ボード)があると下地が見えなくなりますので、あとから下地の位置が分かるようにしておくのもポイントです。
この現場ではボードを貼った時に、先に位置出しをして穴を開けていました。
こうするとクロスを貼った後でも触れば穴位置は分かります。
そして、クロスに切れ込みを入れてボルトを仮に通したのが写真右側の状態です。
これだとクロスを汚す心配もないので安心ですよね。
施工は
天井裏の梁(下地)
⇒天井材(プラスターボード)
⇒クロス
の順番となります。
既存の構造材を下地として使用をされる場合には梁と天井材の間には空間がある場合があります。
よって、その部分はスペーサーを入れるなどして高さを調整してください。
下記の写真が高さ(レベル)を調整をした現場写真です。↓↓↓
梁の下に合板を張り付けて下地の調整がしてありますね。
次に
鉄骨造で梁を吊る下地パターン
現場それぞれでやり方は違うと思いますが、
この現場では吊りボルトで梁を吊る方法で下地(梁)を設置をされています。
そして、梁を吊った金物は天井下に見えないように施工がしてあって、さらに梁を吊っただけでは前後に揺れてしまうので、天井材と一体化をさせることによって揺れを止めてあるようです。
上記現場の完成写真はこちらです。
次にヒトフデウンテイⓇです。↓↓↓
このヒトフデウンテイは見て分かるように、とてもきれいにお取り付けがされていますね。
下地は目には見えません。
しかし、これも天井裏には下地となる梁が2列入っています。
ここまでざっと説明を致しましたが、お伝え出来なかったこともあるかと思いますので、その点については今後修正や追加を重ねながら内容を充実させていきたいと思います。